FXやバイナリーオプションで取引されている通貨は、現在どのような状況にあるのでしょうか。
主要な通貨について、それぞれ見ていきましょう。
まずは、米ドルです。アメリカでは、2月から急落していた住宅着工件数が、4月は113.5万件と7年ぶりの好調を見せました。これは市場の予想を10万件以上も上回るもので、3月分も上方修正されたほどです。これに加え、中長期債利回りも大きく上昇し、ドル/円は一時120.74円まで上昇しました。
ただし、これはまだレンジの上限です。ここからもうひと押しドル高の材料が出てくれば、一気に上昇トレンドのチャンスがつかめるかもしれません。
次に、ユーロです。
欧州中央銀行(ECB)のクーレ理事は、5~6月の債権購入を推し進めるという発言をしました。これは、夏に市場が停滞するのを見越したもので、場合によっては9月に追加する可能性もあるとのことです。
欧州債利回りの上昇で続くユーロ高に対する具体的な措置と受け取られ、ユーロ/ドルは1.13ドル付近から1.12ドルを割るまで下落しました。
それに加え、住宅着工件数の好調で米ドル高に振れたため、一時は1.1119ドルまで下がりました。これは、急落後にドイツのZEW景気期待指数が41.9と前月から大きく下回る数値を示したのも原因のようです。
このように、ユーロ安のトレンドはしばらく続くと見てよいでしょう。ただ、ユーロ/円に関しては、135円台前半から133.95円に急落してからは134円台まで戻すなど、あまり方向性は定まっていません。
次に、豪ドルとポンドについても見ていきましょう。
オーストラリアでは中央銀行のRBAの議事要旨に、具体的なガイダンスなしでも金融政策の変更はありうる、といった趣旨の内容が見られました。
これは、今後も金融緩和を続ける意思表明と受け取られ、豪ドル/米ドルは0.799ドルから0.79ドル台半ばまで小さく下落しました。
その後、ニュージーランドの中央銀行であるRBNZの2Qのサーベイ指標で、1年後のインフレ期待が1Qの+1.11%から+1.32%まで上昇していたため、NZドルが急騰。
それにともない、豪ドルも議事要旨の発表以前のレベルまで回復を見せました。
しかし、ユーロ/ドルの下落とアメリカの住宅着工件数の好調から、ふたたび一時0.7907ドルまで下落しています。
円とくらべ、米ドルに対してより大きく下落したため、豪ドル/円も96円付近から一時的に95.39円まで小さく下落しています。
ポンドは、ユーロの急落だけではなく、4月の消費者物価指数が前年から-0.1%とマイナスに転じたため、米ドルに対して1.565ドルから1.5447ドルまで下落しました。
円に対しても187円台後半から185.97円まで急落しましたが、ドル/円が反発したことにより187円台まで戻しています。
豪ドルはほかの主要国にくらべ金利が高く、ポンドは値動きが激しいため、好んで取引される通貨です。
それぞれの特徴と傾向を見きわめたうえで、うまくチャンスをものにしましょう。